【龍が如く極】ボタンのかけ間違え

お盆が５連休もあれば自宅でのんびりと無駄に過ごす時間もあるというわけで、ようやっとのろのろと再開しました龍極。
一回再開してしまえば続くもの。やっぱりね、面白いからね。
ストーリー上避けては通れないロングバトルと、そのあとに続く最大の難関を乗り越えて、やっと遥ちゃんの名言「ソープって何？」を聞いたところです。
そのあと合間を見ては兄いの相手をしたり、サブストをこなしたりしています。
兄いの相手もサブストで得た経験値を消費してレベルアップさせていったら、なんとかドリンク剤１本使うか使わないかで勝てるようになってきました。
そろそろ闘技場で稼いで古牧の相手をしていかないとかな？な感じです。
で。
ここまで来たくらいで、各章の冒頭にはさんできてた「錦の空白の１０年」が終わったっぽいので、彼についてもろもろと。


龍１の時点で「錦なんで裏切ってしもたん？」と思ってはいましたよ。
だって、小さいころから一緒の仲なんでしょう？って。
でも龍１の時点ではそんなに過去は詳しく語られていないので、もしかしたら錦の中に桐生さんへの対抗心とか嫉妬とかが渦巻いてて、それが表に出ちゃったのかな？って思ってたんだ。
でもさ！龍０ですよ龍０！何あの錦！
ほんとさ！彼はさ！桐生さんいないとダメじゃん？桐生さん大好きじゃん！桐生さん大切すぎじゃん！！！
桐生さんが桐生さんであり続けるよう錦は彼を守り支えるじゃん！内助の功じゃん！夫婦じゃん！？（ＢＬ要素なし）
あんな錦が桐生さんを裏切る理由がわからない！
錦と桐生さんの間にある信頼関係を知るたびに、頭の中では「なんで！錦！なんで！！！」だったわけです。
それほどまでに、あの二人には絶対的な絆があった。
でも、龍１ではその絆も断ち切って、錦は桐生を抹殺していこうとしている。
なんで？ってなるよ。その「なんで？」を明かしてくれるのが楽しみでもあり、そういうものでもなかったら龍１の錦を受け入れられないだろうなと思うわけです。
それくらい龍０の錦は桐生さん側の人間で、人を欺いたり冷徹なことをしたりするようには思えなかった。さらに言うなら若干ヘタレじゃん？

で、だ。
各章の冒頭にちょっとずつはさまれている「錦の過去」。
ほんとね、つらかった。あそこまで歯車がかみ合わず崩れ落ちていくのを見るのは。
つらかったね、つらかったんだねってなる。
だって、すべての出来事が錦を追いつめていってるじゃん。

・桐生さんと離ればなれ
・由美もいなくなる
・他人の陰口・表口（桐生のほうが～）
・組を立ち上げたはいいが構成員が偉そうでむかつく
・妹がもう後がない
・闇臓器に手を付けようとしたら逃げられる
・っていうか、金が天下の周りものすぎる
・柏木さんの「これが桐生だったら…」
・「風間がお前を大事に思うなら、もっとましなやつを下につけるはずだろう？」Ｂｙ嶋野
・「桐生が出てきたときの為だけにお前に組を持たせたんだろうよ」Ｂｙ嶋野
・「桐生は確かに親殺しをしたが、それがなんだ。出てくるころにはいい箔になって迎え入れられるだろうよ」ｂｙ嶋野
・嶋野もうそれ以上しゃべるな！！！
・あの構成員は殺されても仕方ない

箇条書きにするだけでこんなにつらい。嶋野だまれ。
組を持たせてもらうことすら錦を苦しめるじゃん。錦の見方が誰もいない感じになってくじゃん。
柏木さんだって、錦に本心から絶望して桐生さんの名前を出したわけじゃないと思うんだ。ただ、錦組の構成員がやらかしたことがあまりにも腹がだたしかっただけで。子供の管理ができてないぞって意味で。
舎弟の管理、というか舎弟をどううまく扱っていくかって組を持つうえですごく重大なことなんだと思うんだけど、桐生さんはそういうのに実績があるんだよね。シンジが常に兄貴！って慕っているし、風間のおやっさんに「お前が暴れると下に示しがつかない」みたいなことを言われるってことは、桐生さんの一挙手一投足に影響を受ける人が結構いるってことよね？
何より「堂島組舎弟頭補佐」だからさ、ただの舎弟からしたら一角の人なんだよね。
多分桐生さんが組を立ち上げたら、舎弟頭はシンジだっただろうしほかの組員も桐生さんならってついてくる人だったんだと思う。
あの人、カリスマ性があるからさー。男が惚れて、男がついていきたいって思っちゃう人だからさー。
本人に人をまとめる能力があるかどうかは別としても、求心力はあるじゃん？だから、桐生さんが上ででーんとすわってて、その周りの人が采配を振るえば桐生さん周りはうまく回っていくと思うんだ。
そんなかんじで新たに組を立ち上げる準備をしていたのも相まって、桐生さんにはそういう基盤があった。でも錦にはなかった？錦にはちゃんと舎弟がいたの？桐生さんにはシンジがいたじゃん？それに大吾もいるじゃん？でも錦には？
そりゃあ後々には新藤とか荒瀬とか出てくるけど、あれは覚醒前の錦についてた人じゃなさそうだし。
なんかそういう「錦の舎弟」が見えないんだよね。
錦を兄貴と呼ぶ人がいるとしても、それは錦を慕っているというよりは錦よりも後輩だからみたいな感じ？錦についてくるような人が見えないし、錦組の中にそういう人がいる気配がない。
だから組を作ったときにそういう「錦が頼れそうな舎弟」がいなかったのが、あの組の敗因だった気がする。
少なくとも錦を慕っている構成員があの組にいれば、それなりにくみはまとまると思うんだ。あの組は「錦」と「構成員」の間に乖離があったもん。そこをつなぐパイプがなかったもん。
あの構成員は確かに「なんであんなの送り込んだ？」って思ったけどさ。ちゃんとあれでもほかの人が親だった時にはおとなしかったのかもしれないしさ。
もしかしたら、彼らは堂島組の構成員で、組長が殺されたのも相まって最初っから錦はカス扱いだったのかもしれないし。
だって、年上っぽいじゃん？ってことは特に役付きでもない錦は彼らにとっては同僚、もしくは格下じゃん？それがいきなり組をもって、そいつの下につけなんて言われてもねーっていう反発が最初っからあったのかなってのはある。
でかいシノギを持ってるからってつけてくれたんだろうけど、そういう実績があるだけに下手な男についていきたくないっていう「自分の価値を知ってる」だけにたちが悪い。
ほんと、あの男が錦の今回の不幸の原因の半分くらいを担ってるんじゃないかな。正直死んだときに「ざまあｗｗｗ」と思いました。よくやった！錦！最後には覚醒した錦を称賛してしまったよ。

なんっていうかねー。妹の手術のこととかも相まって、錦にどんどん不幸が舞い降りていってる感じ。
その一つ一つが積み重なって、その積み重なる合間合間に「桐生だったら…」とか「親殺しは大罪でも名誉の勲章にもなる」みたいな発言とかがミルフィーユになって。
親殺しの件が評価の対象になるたびに「本当は俺が受ける称賛のはずなのに」と思う気持ちや、自分よりも桐生のほうが、という比較をされるたびに生まれるヘイトが本当に積み重なっていってああなっちゃったんだなって思いました。
なまじっか、桐生さんが近くにいないもんだから、錦の桐生さんへの愛情が再確認できないのもネックよね。
精神がぎりぎりまで追い詰められてる状態で、本当はそこに桐生さんがいれば錦もまだ立ち直れたかもしれないのに、頼りになる相棒はいないし、その相棒への評価は高まるし、その評価内容が虚実だったりだしで、愛情がゆがむよねーってなった。
あれは仕方ない。桐生さんが置いてっちゃったのが悪い。
桐生さんは錦のためを思って身代わりを申し出たけど、それは桐生さんのやさしさでもあり、残酷さでもあるよね。
桐生さんは自己評価が低いから、自分が周りにどう影響を与えてるとか考えてないと思う。だからいつも自分を鉄砲玉に使う。でもさ、桐生さんが動いたら彼の想像以上に回りが動くんだよね。それがわかっていないのが彼の不幸な人生の原因のような気がする。
自分と彼を天秤に乗せたときに、桐生さんは自分が抜けるほうが影響が少ないと思ってた。錦はそんな桐生さんに甘えちゃったんだと思う。
だって、自分のやったことに動揺しちゃってるんだもん。
「やっちまった・・・」って。後悔まで追いついてない。本当にやらかしたことを受け止めきれてない感じ。
だからこそ、その事実から逃げる提案をされたから乗っかっちゃったし、桐生さんに甘えちゃったし、自分を必要としてくれる人が絶対この世に一人はいるから、やっぱり錦も自分と桐生さんを天秤に乗せちゃったのかな？どっちが抜けたほうが穴がでかいのかって。
結果としてどっちが抜けても穴は開くんだけど。空いた穴に対して人がどう言うか、その言葉を残りの片方がどう受けとるかで差が出ちゃったのかもしれない。
社交スキルで錦は生きてたぶん人の言葉が気になるし、桐生さんは自分が大事な人以外は本当にその他大勢扱いだから気にもしないし。
錦もそうやって吹っ切っちゃえばいいのにね。ニコイチだった時は何とも思わなくても、他人が相手をどう評価してるかを相手がいなくなってから気にし始めると止まらない。
たぶん、あの時きちんと錦が捕まって罪を償うコースになったとしたら、桐生さんは錦妹（優子ちゃんというらしい。今作で初めて知ったよ）に対して、錦がいないことをごまかしながら最後まで全力で彼女のためにできる限りのことをしていったと思う。
錦の妹ってことは桐生さんや由美にとっても妹みたいなもんじゃん？あの３人の仲がとにかく取り上げられるけど、錦の妹だってそこにずっと一緒にいたんでしょう？孤児院の全員が彼らの弟妹っていうわけじゃないにしろ、錦の妹は別枠だと思うんだ！
だからして、桐生さんはきっと錦の分も妹を助けようと駆けずり回ったと思う。そして由美だって取り乱しただろうけど、桐生さんと一緒にいたら何とかなかったかもしれない。
で、桐生さんは静かに錦を待つだろうね。もしかしたら錦が組長を殺害したことの責を感じて組の立ち上げを辞退するかもしれない。組長も死んでしまったしね。
ああでも、今回の錦みたいに結局は組をもって錦を迎える準備をしておくかもしれないね。粛々と。
まあその前提が錦が絶縁じゃなくて破門であることなんだけど。あれなー、桐生さんだからっていうのがあると思うんだー。だって、世良だよ？会長。龍０で桐生さんのことを知ってしまったし、風間のおやっさんは桐生さん大好きだし。
対して錦はどうなんだろう？って思うんだ。プレイヤーとしては桐生さんのあれこれは錦あってこそだとは思ってるけど、果たして世良やおやっさんはそれを認めてるんだろうか。
ＩＦを考えだしたらキリがないけど、桐生さんと錦の差というか違いはこういうものにも表れているかもしれない。
それにしてもボタンのかけ間違いのように起こった悲劇だろうけど、徐々に追い詰められていく錦を見てしまったら、最初の事件の時に桐生さんを全力で止めたくなったよ。ちゃんときちんと錦に罪を償わせろって。あれは桐生さんが悪いわーってなったよ。

今はまだ話も中盤、ラストに錦に会えるのが楽しみで仕方ないです。世の中を恨むかのように、自分で踏みつけるように人生を上がってきた錦が、錦の桐生さんへのゆがんでしまった愛情が元に戻るのが楽しみです。